町民の皆様方におかれましては、希望に満ちた新春を 晴れやかにお迎えのことと、心からお喜び申し上げます。また、日頃より町政に対し、深いご理解とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。昨年3月、皆様方の温かいご支援を賜り、町政の場に立たせていただいてからもうすぐ1年になろうとしています。この間、議員一人ひとりが町民の皆様方の負託にこたえるべく自覚と責任を持って町政に取り組もうと鋭意努力しているところです。町民の皆様方のなお一層のご理解とご協力を切にお願いするものです。

さて、前期は議会基本条例を制定するなど議会改革に取り組みました。委員会の公開や議員個人の研修報告の公表、タブレット端末の導入、議会だよりの改善など多方面に取り組み、全国表彰を受賞するに至りました。しかし、いずれも緒についたばかりで、本格的改革はこれからです。これまでは、いわゆる改革の道具を準備した段階で、今後はその道具を生かして真の改革を進めなければなりません。

役場庁舎2階の議員控室には、「広く会議を興し万機公論に決すべし」と書かれた額があります。みなさんご存知の通り明治維新の「五箇条の御誓文」の初めに記された言葉です。「物事は皆でよく話し合って決定せよ」との意味だと思いますが、議会の本分はとことん議論し、最善の策を見出すことにあります。そのためには「論点は何か」を的確にとらえる必要があります。論点がぼやけていると単なる言い合いにしかなりません。ある著書によると「なぜ」を5回繰り返すことで「真因」が見えてくる、そうです。そこまで議論を深めることによって真の問題解決が見えてくるのだそうです。

よく、どんな制度でも作ったその日から陳腐化するとわれます。制度を作った満足感に浸っていては、いずれ役に立たなくなる、改革改善はその日から始めなければならない、ということだろうと思います。宮田秀利町長は、「すべてゼロベースで考える」と明言しておりますが、議会もまた、様々な事象に予断をもって対処することなく、五感をフルに働かせ、物事の本質を見極める努力をし続けようと思うところであります。これが、町政を陳腐化させない議会の大切な役割なのでしょう。

ところで、本町議会では町民の皆様の声を受け、議員定数の見直しに着手しました。議員定数削減は、一つの流れのように見受けられる今日です。町民の皆様の中にも、議員定数削減を訴える方が少なくありません。また、議員定数削減を公約として掲げ当選した議員もおります。しかし、この問題の「真因」は何かを問い続け、未成熟な議論の多数決によることなく、熟成された公論によりその方向を決したいと考えるところです。

なにとぞ、倍旧のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 結びに、皆様方のご多幸を心からご祈念申し上げ年頭のあいさつといたします。

平成29年あいさつ
塙町議会議長 大縄武夫