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平成23年度 水質検査計画
水質検査は、水質基準に適合し安全であることを保障するために不可欠
であり、水道水の水質管理において中核をなすものです。
水質検査計画とは、水質検査の適正化を確保するために水質検査項目等
を定めたものです。
目 次
1. 水質検査の基本方針
2. 水道事業の概要
3. 水源の状況並びに原水及び浄水の水質状況
4. 水質検査項目、検査頻度
5. 採水地点
6.臨時の水質検査
7.水質の検査方法
8.水質検査委託する当該内容
9.水質検査計画の公表
10.関係者との連携
1.水質検査の基本方針
水質検査は、水質基準に適合し安全であることを保障するために不可欠であり、水道水の水質管理において中核をなすものです。
水質検査計画とは、水質検査の適正化を確保するために、水質検査項目等を定めたものです。
水道の原水及び水道水の状況を踏まえ、水質管理の項目に留意し、安全でおいしい水を供給することを目的として水質検査計画を策定しました。
@ 検査地点は、水質基準が適用される蛇口に加えて、浄水場の入り口(原水)とします。
A 検査項目は、水道法で検査が義務付けされている水質検査基準項目、過去の検査結果及び水源の汚染の状況等を考慮し検査頻度の減または省略可能項目についての検討を行い効果的な水質検査を行います。ただし、水道水の安全性を保障するため1年に1回は全項目検査を行います。
B 原水の検査として、消毒副生成物を除いた39項目を年1回行います。さらに、原水
中におけるクリプトスポリジウム(原虫)の指標となる指標菌(大腸菌数・嫌気性芽胞菌)の検査を年4回行います。
2.水道組合事業の概要
@水道施設の概要 |
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施設名 |
丸ヶ草専用水道 |
田代専用水道 |
片貝専用水道 |
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原 水 |
表流水 |
表流水 |
表流水 |
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浄水施設 |
急速ろ過 |
急速ろ過 |
緩速ろ過 |
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除鉄・マンガン濾過機 |
除鉄・マンガン濾過機 |
薬品滅菌器 |
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薬品滅菌器 |
薬品滅菌器 |
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使用薬品 |
PAC・次亜塩素ナトリウム |
PAC・次亜塩素ナトリウム |
次亜塩素ナトリウム |
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3 水源の状況ならびに原水及び浄水の水質状況
原水から給水栓までの汚染要因 |
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施設系統名 |
丸ヶ草専用水道 |
田代専用水道 |
片貝専用水道 |
原水の汚染要因 |
各水源地周辺には作業場や汚染物質等を排出する施設はなく、 |
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山間部にあるため、目立った汚染要因はないと考えられます。 |
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水質管理上の |
細菌類・色度 |
細菌類・色度 |
細菌類・色度 |
優先項目 |
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薬品、資機材の使用状況 |
有効にろ過を行うのに使用しているPAC |
有効にろ過を行うのに使用しているPAC |
滅菌処理剤としての次亜塩素 |
滅菌処理剤としての次亜塩素 |
滅菌処理剤としての次亜塩素 |
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浄水過程における汚染要因 |
PAC使用によるアルミニウム |
PAC使用によるアルミニウム |
液化塩素使用による消毒副生成物 |
液化塩素使用による消毒副生成物 |
液化塩素使用による消毒副生成物 |
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水質管理上 の優先項目 |
アルミニウム・ 消毒副生成物 |
アルミニウム・ 消毒副生成物 |
消毒副生成物 |
4.検査項目及び検査頻度
<法令で定める水質検査>
毎日検査
1日1回、各専用水道の給水栓において、色・濁り・残留塩素の検査を行います。
毎月検査
1ヶ月に1回、各専用水道の代表する3地点の給水栓において、省略不可となる項目について水質検査を行います。
水質基準項目
3ヶ月に1回、各専用水道の代表する3地点の給水栓において、水質検査を行ないます。省略不可能項目に殺菌処理に伴う消毒副生成物を加えた検査を行います。但し、年1回は水質基準全項目の検査を行い安全性を確認します。
<独自に行う水質検査>
クリプトスポリジウム(耐塩素性病原微生物)等対策指針項目
厚生労働省健康局水道課長通知「水道水中のクリプトスポリジウム等
対策の実施について」(平成19年3月30日建水発第0330005号)の規
定に基づき、耐塩素性微生物等による汚染のおそれの判断をし、水道水
原の検査を行うこと。
クリプトスポリジウム等による汚染のおそれの判断基準
レベル1 |
地表水等が混入していない被圧地下水のみを原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがない施設 |
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レベル2 |
地表水等が混入していない被圧地下水以外の水を原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがない施設 |
汚染の可能性が低い 汚染の可能性が高い |
レベル3 |
地表水以外の水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがある施設 |
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レベル4 |
地表水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがある施設 |
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上記を踏まえ、各水源のリスクレベルの判断と検査項目及び頻度を検証しました。
水道施設 |
リスクレベル |
検査頻度 |
丸ヶ草専用水道 |
レベル 4 |
指標菌検査・・・年8回 クリプトスポリジウム・・・年4回 |
田代専用水道 |
レベル 4 |
指標菌検査・・・年8回 クリプトスポリジウム・・・年4回 |
片貝専用水道 |
レベル 4 |
指標菌検査・・・年8回 クリプトスポリジウム・・・年4回 |
原水の検査
各水原において、原虫汚染の指標となる大腸菌数・嫌気性芽胞菌の検査を行います。また、3ヶ月に1回クリプトスポリジウム・ジアルジアの検査を行います。さらに最も水質が悪化する時期を考慮し、8月に消毒副生成物を除いた39項目の水質検査を行います
・丸ヶ草専用水道
検査項目 |
検査頻度 |
採水地点 |
色・濁り・残留塩素 |
毎日 |
丸ヶ草分館給水栓 |
水質基準9項目 |
月1回 |
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水質基準22項目 |
年3回 |
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水質基準50項目 |
年1回 |
・田代専用水道
検査項目 |
検査頻度 |
採水地点 |
色・濁り・残留塩素 |
毎日 |
田代集会所給水栓 |
水質基準9項目 |
月1回 |
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水質基準22項目 |
年3回 |
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水質基準50項目 |
年1回 |
・片貝専用水道
検査項目 |
検査頻度 |
採水地点 |
色・濁り・残留塩素 |
毎日 |
片貝小学校給水栓 |
水質基準9項目 |
月1回 |
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水質基準22項目 |
年3回 |
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水質基準50項目 |
年1回 |
A 原水
水源水質を確認するため、水源地において検査します。
検査項目 |
検査頻度 |
検査地点 |
水質基準38項目 |
年1回 |
各浄水場入り口 |
指標菌 |
年8回 |
各浄水場入り口 |
クリプトスポリジウム・ジアルジア |
年4回 |
各浄水場入り口 |
6.臨時の水質検査
水源等で、次のような水質変化があり、その変化に対応した浄水処理を行うことができず、給水栓の水で水質基準値を超えるおそれがある場合には、直ちに取水を停止して、必要に応じて水源、浄水場、給水栓等から採水し、臨時の水質検査を行います。
@ 原因不明の色及び濁りに変化が生じるなど水質が著しく悪化したとき
A 臭気等に著しい変化が生じるなどの異常があったとき
B その他必要があると認められるとき
臨時の水質検査は、水質異常が発生したとき直ちに実施し、水質異常が終息し、給水栓の水の安全性が確認されるまで行います。
7.水質検査方法
水質基準項目及び水質管理目標設定項目の検査方法については、国が定めた水道水の検査方法(「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」)
によって行います。なお、その他項目の検査方法については、上水道試験方法(日本水道協会)等によって行います。
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水質検査項目 |
検査方法 |
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1 |
一般細菌 |
標準寒天培地法 |
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2 |
大腸菌 |
特定酵素基質培地法 |
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3 |
カドミウム及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
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4 |
水銀及びその化合物 |
還元気化―原子吸光光度法 |
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5 |
セレン及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
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6 |
鉛及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
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7 |
ヒ素及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
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8 |
六価クロム化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
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9 |
シアン化合イオン及び塩化シアン |
イオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法 |
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10 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン類) |
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11 |
フッ素及びその化合物 |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン類) |
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12 |
ホウ素及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
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13 |
四塩化炭素 |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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14 |
1,4-ジオキサン |
固相抽出-ガスクロマトグラフ質量分析法 |
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15 |
シス-1.2-ジクロロエチレン及びトランス-1.2-ジクロロエチレン |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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16 |
ジクロロエタン |
理化学試験室 |
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原子吸光分光分析装置 |
写真提供:(株)新環境分析センター |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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18 |
トリクロロエチレン |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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19 |
ベンゼン |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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20 |
塩素酸 |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン類) |
||||
21 |
クロロ酢酸 |
溶媒抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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22 |
クロロホルム |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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23 |
ジクロロ酢酸 |
溶媒抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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24 |
ジブロモクロロメタン |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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25 |
臭素酸 |
イオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法 |
||||
26 |
総トリハロメタン |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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27 |
トリクロロ酢酸 |
溶媒抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
||||
28 |
プロモジクロロメタン |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
||||
29 |
プロモホルム |
パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
||||
30 |
ホルムアルデヒト |
溶媒抽出-誘導体化-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
||||
31 |
亜鉛及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
||||
32 |
アルミニウム及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
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33 |
鉄及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
||||
34 |
銅及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
||||
35 |
ナトリウム及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
||||
36 |
マンガン及びその化合物 |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
||||
37 |
塩化物イオン |
イオンクロマトグラフ法(陰イオン類) |
||||
38 |
カルシウム、マグネシウム等(硬度) |
誘導結合プラズマ-質量分析法 |
||||
39 |
蒸発残留物 |
重量法 |
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40 |
陰イオン界面活性剤 |
固相抽出-高速液体クロマトグラフ |
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41 |
ジェオスミン |
固相抽出-ガスクロマトグラフ質量分析法 |
||||
42 |
2-メチルイソボルネオール |
固相抽出-ガスクロマトグラフ質量分析法 |
||||
43 |
非イオン界面活性剤 |
固相抽出-吸光光度法 |
||||
44 |
フェノール類 |
溶媒抽出-誘導体化-ガスクロマトグラフ-質量分析法 |
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45 |
有機物(TOC) |
全有機炭素計測定法 |
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46 |
PH値 |
ガラス電極法 |
||||
47 |
味 |
官能法 |
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48 |
臭気 |
官能法 |
||||
49 |
色度 |
透過光測定法 |
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50 |
濁度 |
積分球式光電光度法 |
8.水質検査委託する当該内容(水質検査の精度と信頼性保証)
採水・水質検査・成績書の発行までの業務を20条登録機関に委託します。
委託については、精度と信頼性を考慮し下記の理由により決定します。
@ 水道水質検査においてその精度と信頼性の保証は、極めて重要でありGLPの考え方を取り入れた体制を導入する必要がある。検査結果の信頼性の確保策としては、ISO/IEC17025や日本水道協会が水道水の水質検査に特化した「水道水質検査優良試験所規範」通称「水道GLP」などの導入があり、これらを取得している検査機関であること。
A 水質基準項目、水質管理目標設定項目全ての検査において、全ての項目が自社分析できる検査機関であること。
B 臨時(緊急時)の水質検査において、少なくとも3日で検査結果の出せる検査体制が整備されている検査機関であること。(全項目検査)
C 検査される水質項目について、原則として基準値の1/10までの測定値が得られ、かつ基準値の1/10付近の濃度で変動係数が、有機物では20%以下、無機物では10%以下で測定することのできる検査機関であること。
D 内部及び外部において精度管理を実施している検査機関であること。
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9. 水質検査計画の公表
安全でおいしい水を提供するためには水質検査計画と検査結果を公表し、これらの事項につきまして町民の皆様からご意見を頂いて水質検査計画の見直しを行い、より安全で安心できる水道を目指します。
お客様からの声や、水質検査結果を次年度からの維持・管理に反映させていくため次の図のような流れで見直しを行いますので、皆様のご意見をいただければ幸いです。
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10.関係者との連携
水質事故等が発生した場合には、福島県及び関係機関と連携を図りながら迅速
かつ適切な対応をします。